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P.I.P.―プリズナー・イン・プノンペン (小学館文庫)
P.I.P.―プリズナー・イン・プノンペン (小学館文庫)
沢井 鯨

定価: ¥ 670
販売価格: ¥ 670
人気ランキング: 186516位
おすすめ度: 
発売日: 2003-05
発売元: 小学館
発送可能時期: 通常24時間以内に発送
読み物として確かに面白いけれど・・・
正直、☆をどうつけるか相当迷った。
単純に面白さとインパクトだけで言えば、☆☆☆☆☆をつけても良い。だけど、小説としての完成度でいけば☆程度。処女作だからしょうがないとはいえ、職業作家の文章とはとても言い難い。登場人物の心の動きが描けていないので、前半、主人公がある少女に対してとった行動など、唐突過ぎてまるっきり不可解だ。
それ以上にどうしても引っかかるのは、筆者はなぜこれを小説にしたのか、ということ。
カンボジアで投獄され、普通の日本人の想像を絶するような体験をした、というのが筆者の最大のウリ。
ならば、ノンフィクションとして体験記を書けばいい。
「これは本当にあったことなんだよ」というのをチラつかせながら、あえて娯楽小説としてどこまで本当なのか曖昧な書き方をする。
そこに、偽善の匂いを感じてしまうのは僕だけだろうか。
主人公の行動があまりにも都合のいい<正義>として描かれているように思えてならない。
一方でこの主人公がアジア人、ことにカンボジア人を蔑み、下に見ているのが伝わってくる。そのくせ最後には、主人公もまた、蔑んでいた相手と同じレベルの行動をとってしまう。解説の馳星周氏も『喜劇』と指摘しているとおりだ。
筆者にしてみれば「これは小説だから、主人公イコール私ではない」と逃げる気かも知れないが・・・。
カンボジアの悲惨さ、想像を絶する内情を知らせることは確かに意義深いが、下手をすると「他人事であるカンボジアの悲惨さを利用して飯を食っている」とも見えてしまう。
勢いに圧倒される
描写が雑だったり、説明が長すぎて読みづらいところも若干ありますが、文句なしに楽しんで読めました。
筆者が実際プノンペンで投獄された体験を元に書かれているので、リアリティーもあり、カンボジアで刑務所の体験を読むだけで価値があるかも。
物語自体も読者を惹きこむに十分な内容だし、合間に挿入されているカンボジアの歴史や背景の話も面白い。
アジアに興味がある人が読めばまず楽しめるはずです。
この現実はすごい
現実はすごいというか、よく生きて帰ってきたな、とか冒険は冒険でも戦争、法律、人情、金のなんでもありの国の機関と暴力からの生還。現実はこわい。
読んでいると、その国へ遊びにいこうかと思ってしまいましたが、読み終えると行きべきではない、と思いました。
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